物件情報の「築年月」で分かる重要なこと
インターネット上等の物件情報の詳細を見れば、通常は「2017年1月」「1999年9月」
という具合に「築年月」が記載されています。
「わー、私が生まれた年と同じの建物だ。年季入っているな~」など、
一言でいえば、その記載で建物の築年数が分かるということなのですが、実は、この築年数から重要なことが1つ分かるのです。
それは、
建築基準法における「旧耐震基準」で建てられた建物であるか、「新耐震基準」で建てられた建物であるかということ
です。
「新耐震基準」として、地震に対してより安全性の高い設計基準が施行されたのが1981年(昭和56年)6月のことです。
ここを境に、「旧耐震基準」に適合した建物と、「新耐震基準」に適合した建物に大きく分かれることになります。
「旧耐震基準」の建物がやたらに危険なのかといえば、そうとは限らず、その後「耐震補強」などを重ね耐震性の強い建物も多くあります。
とはいえ、地震が多い昨今、少しでも安全性の高い建物に住みたいというのも人情です。
同じ築古でも、「新耐震基準」の建物のお部屋に入りたがる人の方が多いようです。
一方で、「旧耐震基準」のより築古のお部屋は、その分家賃が割安で設定されていることもあるので、その辺が気にならない人にとってはメリットとなることもあるかもしれません。
1981年竣工の建物は「旧耐震基準」と「新耐震基準」のどっち!?
ところで、その境となる1981年に建築された建物の場合はどちらなのか、という問題があります。
細かいお話ですが、建物は実際に着工される前に、所管の役所から「建築確認」というものを受けなければなりません。
この「建築確認」を受けてからはじめて「着工」され、一定の工事期間を置いて竣工すなわち完成となるわけです。
ですので、その建物の竣工時期(築年月)と建物の規模から、正確にはとはいえないまでも、およその工事期間、着工時期、「建築確認」を受けた時期を逆算できるところはあります。あくまでもおよそですが。
で、その「建築確認」の申請が行われたのが、「旧耐震基準」の頃か、「新耐震基準」の頃かということになるのです。
つまり、1981年6月より前か後かと。
例でいうと築年月が「1981年7月」となっていた場合、ほぼ「旧耐震基準」でしょう。
7月に完成するには、どんな小さい建物であっても少なくとも建築確認を6月以前に受けているはずです。
では、築年月が「1982年5月」であったらどうでしょうか。
マンションの規模によっては、工事期間が1年以上のものなどザラであるので、建築確認を「旧耐震基準」で受けている可能性もあります。
一概にはいえないということであります。
いずれにしても、「築年月」は単純に「古い」「新しい」という感覚的なものだけではなく、こんなことも念頭にチェックされると良いと思います。